映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
『タクシー運転手 約束は海を越えて』
前半、笑いっぱなしで、見てよこの太陽のような満面の笑みのポスター。これがあとに効いてくるんだ・・・。
後半、単語でしか知らなかった光州事件が劇場で露わになる。劇場で観たから銃弾と人が撃たれる殺戮のシーンの重い音、凄惨さが半端なく体全体に響いて胸が張り裂けそう。劇場で何人ものすすり泣く声が。
これはぜひ劇場で。
劇中にも出て来る「なぜ、どうして、軍は狂ってる、国民に銃を向けるなんて、奴ら光州人を皆殺しにするつもりだ」の台詞が突き刺さる。
後半、単語でしか知らなかった光州事件が劇場で露わになる。劇場で観たから銃弾と人が撃たれる殺戮のシーンの重い音、凄惨さが半端なく体全体に響いて胸が張り裂けそう。劇場で何人ものすすり泣く声が。
これはぜひ劇場で。
劇中にも出て来る「なぜ、どうして、軍は狂ってる、国民に銃を向けるなんて、奴ら光州人を皆殺しにするつもりだ」の台詞が突き刺さる。
主人公のタクシードライバー役のソン・ガンホは改めてすごいと実感。うどんの食べ方でやるせなさと覚悟のような物を感じさせたり、唇を震わせたり。
この映画はこのソウルのノンポリのおっさんの視点で描かれていて、ソウルでの学生デモなど彼にとっては商売敵ぐらいだったのに(道路が封鎖されるから)、光州に行くと、あれ? なんかちがうぞ? え? ええ??? みたいな所で、最初の彼とこちらの浮かれた気分がだんだん曇っていき(10万ウォンの契約でドイツ人記者を光州に連れて行く契約でうはうはだった彼)、光州事件に問答無用に向き合わせる演出も鳥肌だった。
この映画はこのソウルのノンポリのおっさんの視点で描かれていて、ソウルでの学生デモなど彼にとっては商売敵ぐらいだったのに(道路が封鎖されるから)、光州に行くと、あれ? なんかちがうぞ? え? ええ??? みたいな所で、最初の彼とこちらの浮かれた気分がだんだん曇っていき(10万ウォンの契約でドイツ人記者を光州に連れて行く契約でうはうはだった彼)、光州事件に問答無用に向き合わせる演出も鳥肌だった。
ドイツ人記者のトーマス・クレッチマンも作品をより際立たせている。彼の青い瞳に悲しみが宿れば宿る程、ますます是が非でも世界に発信しなかればならなくなるという悲しい宿命に胸が詰まる。
憎々しいまでの私服の軍人(これ、ずるいでしょ!)のいかにも公安然とした俳優も良かった。
「この赤め」とか「金のために祖国を売るのか」とか。
「この赤め」とか「金のために祖国を売るのか」とか。
こういう人の祖国って何かね。彼らの言うのは政権であって国じゃない。
世界に知らしめられたくない事をなぜやるのか。
そして嘘だらけのニュースを流す忖度マスコミ。
独裁、恐怖政治の構造はどこも同じ。
観終わってしばし呆然としてしまった。
心の褌、鉢巻き、を絞め直さなくては、と思った。
心の褌、鉢巻き、を絞め直さなくては、と思った。