もいんもいん!

「もいん」とはもとは北ドイツのおはようという意味です。

映画『あなた、その川を渡らないで』

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お友達から勧められて観ました。
勧めてもらわなかったら、
おそらく観ていなかったと思います。
そしてこの映画は私の大切な一本となりました。


類まれなる人権意識の持ち主のおじいさんとそれに愛情たっぷりに答えるおばあさんが昔話のような生活をしています。天性の人権意識を持った方っているのだな。

未だに出会った頃のままのようなお二人でしたが時は着実に流れるのでした。ひたすら愛おしい。

おじいさんの具合がどんどん悪くなって行きます。
おばあさんの誕生会の前、突然、おじいさんが中庭の壁に鏡をかけると言い出しました。
あのやさしいおじいさんが、自分の非力に憤り思わず癇癪を起してしまいます。
でも親族のおかげで壁にかける事ができ、壁がどんどんにぎやかになって行きました。
あの鏡は死出の旅への準備のようにも思えます。

そしておばあさんも、いい韓服から燃やして行ったり、幼くして死んでしまった子どもたちの寝間着を買いそろえおじいさんが死んだら渡すようにと、おじいさんに頼みおじいさんの死の準備を始めます。

印象的なシーンがたくさんあり、どのシーンも儀式のようでもあるし、宝物のよう。

ポスターも、上のほうがいいな。
下のもお二人の表情はとても良いけれど、二つの写真を使うのがはやりなのか少し野暮。

また、これは映画とは直接関係がなく、映画が素晴らしいだけに残念だったのが、宣伝文句にある「そろいの洋服」という説明。洋服ではなく韓服というのがいいのに、こういう所に浅はかさやリスペクトの欠如が出てしまうのだな、と思いました。