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「もいん」とはもとは北ドイツのおはようという意味です。

日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか

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「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」
著者 矢部宏治
集英社インターナショナル
2014年10月29日 第1刷発行

日米・密約法体系を扱ったショッキングな内容でした。
国民には人権もないし、主権もない。だから安倍政権は公然と国民に主権はないと言い張ることができる。知らないことだらけでした。

わりと読みやすかったです。憲法の知識がなくても読めるようになっていました。

未だに米軍による占領が続いている状態を明文化しています。

日本国憲法よりも安保を中心としたアメリカとの条約群(安保法体系)の方が上位に位置しているのです。それについての裁判は、最高裁憲法判断しなくてもよいという統治行為論と呼ばれるロジックが存在しています。米軍基地問題だけでなく、原発関連の訴訟にも統治行為論が使われているので、明らかな人権侵害が行われているのです。

ここまでは、ああ、だから国民には人権も主権もないのだと納得させられてとてもすごい本だなあ、と思っていたのですが結論には納得しかねました。

本書ではなぜこうなったかというと、今の日本国憲法アメリカによって作られたからであり、それをそのまま使い続けることによってこのような事態になっていると言及しています。

ではどうしたらいいかというと、憲法を日本人の手によって変えるべきであると。

憲法9条にあるように日本が戦力を持たないでいることこそ、米軍をのさばらす原因であると主張しているように感じました。

「(略)九条二項は、「日本人への不戦への祈り」がこめられた条文であると同時に、そうした大西洋憲章から国連憲章敵国条項」へとつづく、「日本の永久的武装解除=侵略政策の再現阻止」という負の起源を、あきらかにもっているのです」(本書より)

今の日本で憲法改正なんて政治利用されるだけで非現実的だなあ、と思いました。