もいんもいん!

「もいん」とはもとは北ドイツのおはようという意味です。

#その他文学

死者の書 近藤ようこ

死者の書 上・下 近藤ようこ・著 折口信夫・原作(BEAM COMIX) 【上・下巻レビュー】中将姫伝説。 浮世離れして幻想的な物語でした。消え入るような近藤ようこの描く姫君が二上山に吸い込まれてしまいそうでこちらも心もとない気持ちになると同時…

本『中世ヨーロッパの大魔術書  大アルベルトゥスの秘法』

『中世ヨーロッパの大魔術書 大アルベルトゥスの秘法』 アルベルトゥス・マグヌス 立木鷹志=編訳 河出書房新社 レビューではなく、メモです。 ●姿が見えなくなるためには オプタルミトという石を身につけるといいよ。 ●火を使わずに誰かの手をやけどさせる…

漫画『ワタリ』白戸三平

漫画『ワタリ』白戸三平(1965~1967) それが何なのかわからぬ「死のおきて」に縛られ疑心暗鬼になる下忍たち。おきてに背いた者は仲間といえど殺さねばならない。 下忍を支配するために敵対する勢力を用意しておき、常に憎悪をそちらに向かわせる。もちろ…

教団X 中村文則

ビッグバン、宇宙、宗教、脳、世界の認識、量子力学、素粒子、セックスカルト教団、公安、テロ、内戦、食糧危機、アフリカ、国際貢献、靖国、右傾化、これらが一つの壮大な物語に帰結していて圧倒されました。 世界を知るヒントだらけの小説で ずっと引き付…

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

わたしを離さないで カズオ イシグロ ヒロインの一人称が、 彼女が紛うことなき人間であることをまざまざと思い知らされる。 特殊な寄宿学校において、 先生や、たまに来るマダムの様子や彼らのちょっとした言動から 現状を推し量るしかない環境。 疑り深く…

『木橋』永山則夫

N少年、よく生きてたな、と思う。壮絶な貧しさと暴力と家出の少年時代、そのあげく・・・。 学ぶことの大切さがわからなかった少年がよくここまでの文学を作り上げたと思う。 ただそのきっかけは憎むべき重犯罪ゆえだが、 人間、機会を与えられればここまで…

ゴルゴ13第115巻 沖縄シンドローム

『ゴルゴ13第115巻 沖縄シンドローム』 沖縄が犠牲を強いられてきた歴史がゴルゴでわかります。恥ずかしながら全く知りませんでした。 「たしかに今の沖縄は政府の補助に頼るしか能のない県に成り下がっている・・・・。だが、それは、政府とアメリカの政…

ゴルゴ13第94巻 アンコールの微笑

『ゴルゴ13第94巻 アンコールの微笑』1991年作品。 アンコールワットの保護活動をする考古学者の父と未発掘の文化財を発見しさえすればいいとする息子との対立。 西洋考古学、西欧人の第三世界の文化遺産に対する搾取を主題にしている。父と子の確執が絡む…

ジョージ秋山「教祖タカハシ」

ジョージ秋山「教祖タカハシ」 マジカルコミックス 週刊ポストで連載されていただけあって、サラリーマン向けになっています。 家庭からも職場からもこれでもかというくらいバカにされないがしろにされている病弱のお父さんが主人公。 気の持ちようで畜生の…

日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか

「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」 著者 矢部宏治 集英社インターナショナル 2014年10月29日 第1刷発行 日米・密約法体系を扱ったショッキングな内容でした。 国民には人権もないし、主権もない。だから安倍政権は公然と国民に主権はな…

奇貨 松浦 理英子

奇貨 (新潮文庫) 文庫 松浦 理英子 (著) よく想像してました。 もしも将来ブルーインパルスになるような男の子が自分と同じクラス(航空学校とか)にいたら。 そんな類の妄想に一つの答えを出してくれたような気になるのが、本書。 男惚れされる男性っていいで…

反〈絆〉論 (ちくま新書) 新書 中島 義道 (著)

反〈絆〉論 (ちくま新書) 新書 中島 義道 (著) 一時期、メディア等が絆地獄一色に陥っていた時期がありましたね。 絆って言葉を入れないと放送、販売できないのか、と穿ったり。 でも、さすがに私も絆地獄とは言えず、福島の新聞に絆の押し付けが過ぎるとは…

タオ・コード

タオ・コード―老子の暗号が語り出す 性の五次元領域から迸る秘密の力 (5次元文庫) [文庫] 著者:千賀 一生 おもしろかったです。 以前、読んだ仙人に会った話にも似た不思議な話。 穏やかな世界観なのですが、どうしたら穏やかになれるか漠然としたことしか…

マヤ文明 新たなる真実―解読された古代神話『ポップ・ヴフ』その2

マヤ文明 新たなる真実―解読された古代神話『ポップ・ヴフ』 実松克義著 【メモ1】 フン・ラカン:キチェー語で1本足という意味。天の心とも言う。もっとも古いマヤ文明のスピリット。 アハウ・テペウの原型。 宇宙の精神である天の心。 【メモ2】 マヤの宇…

古代インドの神 バラモン教、原始仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教 オドン・ヴァレ メモ

【メモ】 紀元前3千年~2千年にインダス文明ができた。 紀元前2千年、アーリア人が東欧、イラン経由で西北インドに侵入した。 アーリア人とはサンスクリットで貴族という意味。インド・ヨーロッパ語族。 アーリア人より劣った土着の人々は、奴隷、悪魔という…

日本超古代文明の謎 [新・日猶同祖論] その2

【おおざっぱな要約】 洪水が起きて日本からちりぢりになった民族のうち、ユダヤ人が日本に戻ってきて、弥生文化を築き、大和朝廷を築いたという。 ユダヤ人は縄文人の子孫であり、弥生人はユダヤ人の子孫だという。 ミクロコスモスのような生活空間で日本独…

古代インドの神 バラモン教、原始仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教 オドン・ヴァレ

古代インドの神 バラモン教、原始仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教 オドン・ヴァレ 監修:佐藤正英 創元社 カラーで写真も説明もたくさんあって、とても読みやったです。 固有の単語も、意味も記載されていて、わかりやすかったです。 紀元前2000年頃の古代イ…

エジプト神話物語

『図説 エジプト神話物語』 ジョナサン・ディー 訳=山本史郎・山本泰子 原書房 物語になっていて、写真もたくさんありとても読みやすくおもしろかったです。 説明もコラム風にちょこっと載っていて理解も深まります。 こういう作りじゃないと、読みにくいん…

マヤ文明 新たなる真実―解読された古代神話『ポップ・ヴフ』

マヤ文明 新たなる真実―解読された古代神話『ポップ・ヴフ』 実松克義著 紀元前3千年にはマヤ人の中に地動説を唱えた人々がいたという。 天動説派と地動説派に戦争さえ起こったという。 その後、マヤ人の思想は宇宙に向かっていったから、あの高度な観測技…

梅原猛『日本の深層 縄文・蝦夷文化を探る』

梅原猛『日本の深層 縄文・蝦夷文化を探る』素晴らしい本でした。 日本国民必読でしょう。 なぜ今、日本はこうなっているのか、それにはまず古代を知らなくてはならない、といった素朴な感情に答えてくれる名著でした。 日本、縄文、狩猟民族、アイヌ、東北…

ブックレビュー【日本の聖なる石を訪ねて】

日本の聖なる石を訪ねて――知られざるパワー・ストーン300カ所(祥伝社新書252)) [新書] 須田 郡司 著者 著者の巨石、石への愛に満ちあふれた一書でした。 日本にこんなにも巨石があったのかと驚きました。 それも300ヶ所!。(小さな石もありますが)…

意訳シリーズ第2回『ロキの口論』その4

ノルウェー・アイスランド神話『エッダ』のロキの口論(松谷健二:訳 ちくま文庫より) その4 ロキ「そういうおめえが貞淑な妻の鑑(かがみ)だったらな。でもあいにく俺はトールの妻を寝取った男を知っておるのでな。知ってるのも何もその男ってのはこの俺…

意訳シリーズ第2回『ロキの口論』その3

ノルウェー・アイスランド神話『エッダ』のロキの口論(松谷健二:訳 ちくま文庫より) その3 チュール「わしは右手をおめえは父親の狼の化物をなくしたからおあいこだな。あの狼もしばられたままで神々の最後を待つとは楽な役目じゃないよな」 ロキ「だまれ…

意訳シリーズ第2回『ロキの口論』その2

ノルウェー・アイスランド神話『エッダ』のロキの口論(松谷健二:訳 ちくま文庫より) その2 ロキ「うるせー、ゲフィヨン!おめえに手を出した男はこっちにはわかってるんだ、尻軽女。あの若造からネックレスをもらったら、いそいそと相手に大股を開きおっ…

意訳シリーズ第2回ノルウェー・アイスランド神話『エッダ』のロキの口論

ノルウェー・アイスランド神話『エッダ』のロキの口論(松谷健二:訳 ちくま文庫より) その1 ギュミルとも呼ばれる海神エーギルは大きな釜を手に入れて、神々をもてなそうとホップなしのビールのエールを醸造しました。 その酒宴には大勢の神々と妖精たちも…

意訳シリーズ第一回『この人を見よ』

ニーチェ『この人を見よ』 第一回はニーチェ『この人を見よ』西尾幹二訳を自分なりに意訳してみました。 【目次】 なぜ俺様はこんなにも頭がいいのか なぜ俺さまはこんなにも冴えているのか なぜ俺様はこんなにも良い本を書くのか 【内容】 こんなに俺様の書…

意訳シリーズ

読みにくい本やとっつきにくい本を自分なりにメモのように意訳してみました。 第一回はニーチェ『この人を見よ』です。

不連続殺人事件

『不連続殺人事件』坂口安吾 角川文庫 坂口安吾とはなんというかっこいいダークヒーローなのだろう。 こういう人間への悪意に満ちた作品を書けるなんて。 しかも殺人事件というエンターテインメントを使って。 その悪意は気持ちのいいくらい。 ためいきが出…

密閉山脈

『密閉山脈』森村誠一 美貌の会社員貴久子をめぐる4人の男の山岳ミステリー。 愛の愚かさ、盲目さ、浅はかな会社での自己保身を5人の登場人物を使い厳しく冷たい視線で描く。 しかしながら、愛はなければないなりに孤独が待ち受けているという。 あまりに…

悪魔の飽食

『悪魔の飽食』森村誠一 1~3部 ものすごい取材力。 いかなる戦争もいかん!! 人はいかようにもむごくなれてしまう生き物である。恐ろしいことに。 それは戦争状態でなくともありえる。(女子高生コンクリート殺人事件等) しかしながら、こうした行為(…