絶対の愛
監督・製作・脚本・編集:キム・ギドク
時のうつろいを解消せんと整形した結果が招く結末。
整形して新たな人物として愛する人の前に現れる、というのは、
誰しも持っている変身願望、透明人間になりたいといった欲求となんら変わらないように思います。
ただ、整形の方が確実に元に戻れない。そのリスクを犯してまで人が新たな人物になるということに
救いはない、と思うにはあまりに約束されすぎた結末だけど、
映画を観ていつも思うのは、そういう私の知らない所で、私の知らない文化圏で、
そういう人々が暮らしているということを教えてくれて、
こういうことを実行したら、どうなっちゃうんだろうという未知の世界をたっぷり味わさせてくれ
て、観る悦楽をたっぷり与えてくれる映画は心に残ります。
顔を変えたことで、自分自身を見失い、自分と他者の区別すらわからなくなってしまって繰り返される無限ループはまさに狂気のメルヘンの世界。
主演の男性が美形でした。
映画って人の願望を叶えてくれたり、くれなかったり。