もいんもいん!

「もいん」とはもとは北ドイツのおはようという意味です。

BS世界のドキュメンタリー「ミッシェルの夢」

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BS世界のドキュメンタリー「ミッシェルの夢」

よく5年間もミシェルを追いかけたなあ。人の5年間の記録って、やっぱり凄いなあ。ミシェルがとても清々しかった。
20歳で盲学校を卒業してから5年間の記録。ずーっとミシェルにつきっきりなわけではないけど、どの場面を切り取ってもミシェルが見える。時折映る実家の金魚の水槽の映像がとても良かった。
盲学校を卒業後、夢を語るが実家で生活保護を受けながらの引きこもりのミシェル。アメリカにおける視覚障害者の失業率は75%と高い。現実と外の世界は厳しい。それでもインターネットでは人と対等にコミュニケーションし、自分の居場所を見つける。
時折ふと見せる疎外感。
22歳の時に盲学校の歩行訓練士兼カウンセラーの先生に思いをぶつける。ミシェルにとって、先生との確執を解消しておきたかったのだろう。
ミシェル「障害者を相手にする人にありがちな事についてです。(その事を話しに来ました)私達障害者の個性はいわゆる普通の人と違っていると、みんなすぐに障害のせいにしようとするでしょ。私達の個性は尊重されずに障害の影響と片付けられちゃう。例えば21にもなってフィギアを集めているのは変だとか。それは私という個性だとわかってほしいんです。私には私らしく生きる権利があるし、他人を傷つけているわけではないんです。なのに先生のような人は私のことをいつまでたっても大人になれない人間だと思っているでしょ。いつだったか私が別の杖はない?って言った時、私は何もすぐに持って来てって言ったわけじゃなかった。でも先生は、はいはいって態度だった。私は馬鹿にされた気持ちで周りに対してキレちゃったんです。冷静じゃなかったのは認めるけど、私だって限界だったんです。」
先生「私も別にあなたを傷つけるつもりはなかったのよ。あなたではなくあなたの障害が起こした振る舞いだったの。私は何も根に持ってはいない」(え? 聞いてた? 今のミシェルの・・・・)
ミシェル「・・・・・」
その後、ミシェルと母がいない所で先生、カメラに向かい「ミシェルの世界はとても狭いものです。視力が弱く、周囲がよく見えていないせいもあるし、彼女特有の障害が世界を狭めています。だから完全に自立した人間として接するには無理があります」
帰る母娘の後ろ姿、母「あなたの障害の微妙さをわかってくれないみたいね」
ミシェル「全て自立してるか、何もできないかのそのどちらかしかないのよ」
母「ええ」
ああ、こんな先生じゃ窮屈だったろうな・・・・。そして、こういう先生、多そう。

次の場面はミシェルが弟のバスケの試合を応援しに行く事を拒絶しているシーンから始まる。ミシェルは目が見えないから、行っても惨めになるだけだし、楽しめないから行きたくないと主張。
母と母の恋人かな?(父と母は離婚している)は、「試合が好きか嫌いかじゃない。弟の試合を応援しに行くんだ」
うわあ、こういう親もいそう。目が見える、見えない以前に、応援するのが当たり前と思っているからタチが悪い。家族が出ようがでまいが、興味のないものを強制的に見せられてもね、家で本でも読んでる方がよっぽど楽しいよね。
結局、見にくんだけど、やっぱりつまらなそうなミシェル・・・・。

マジョリティーの善意の暴力も感じる番組だった。

そんなミシェルに恋人が!! いつの間に!
これが青びょうたんのモテなそうないい子でとてもお似合いなの。彼「僕の友達が、僕と付き合うなんて目が悪いんじゃない?と言うから、そうだよって言ってやったよ」ミシェルと彼、爆笑。ははは。そして、二人とも、アブノーマルなプレイに夢中。SMは信頼関係。ミシェルの誕生日に彼は鞭をプレゼント。喜ぶミシェル。彼と性的マイノリティーのイベントにも参加したりして、積極的になるミシェル。何かが解放されたミシェルがとても魅力的。途中、声優になるためにロスに2週間行くが、だめだった模様。今後は性的マイノリティーのために訴えて行くと新たな目標もできた。一人暮らしも始めた。

障害者もので、性をアッケラカンと話すミシェルや彼が清々しかった。ミシェルが積極的になったのもそういう世界を知ったからだし、ミシェルにとってもとて大事な事だ。