もいんもいん!

「もいん」とはもとは北ドイツのおはようという意味です。

カリスマ医師の隠された真実 第2話:疑惑の影

イメージ 1

カリスマ医師の隠された真実 第2話:疑惑の影 
原題:The Experiments Every surgeon has his own graveyard
制作:SVT(スウェーデン 2016年)
『現実の事件や犯罪を掘り下げる北欧制作の3本シリーズ。革新的な治療法で世界の注目を集めた天才医師の手術を受けた患者が次々と死亡。追跡取材で明らかになる真実とは?』

以下、メモ。
※ニュアンスで書いています。
※またカロリンスカ大学病院と、カロリンスカ研究所をきちんと把握、区別できていません。
「」は番組ディレクター
「人工気管の技術を応用し心臓や肺といった人工臓器を作ろうとしていた。
華やかな報道の裏側でマッキャリーニは移植した人工気管の不具合に気付いていた。
亡くなる患者も出てきた。」
バイオ会社と電話で「つなぎ目が全くだめになっていたんだ。すべてやり直しだ」と話すシーンが映し出されている。
マキャリーニ「悪い事などしていない。職務を真向したまでだ」自分の過失を認める事無く手術をしていた。
という出だしから始まる第2話。
「次々と術後の患者が死ぬ中、カロリンスカ研究所再生医療ラボにマッキャリーニが来所する。彼は人工気管ではなく患者の病状が進んでいたのが原因だったと主張。もっと健康な患者に自分の治療法を試したがっていた。成功したくて必死だった。」
動物実験を行わず人体で臨床試験をする認可を取り付けた。常識では考えられない。」
「最初の臨床試験はロシアで行われる事になった。被験者を公募すると応募が殺到した。被験者選びにはカロリンスカ研究所も協力した。交通事故で気管切開で穴が空いたユリアが選ばれた。事故当時、妊娠していたユリアはお腹の子に影響がないように鎮痛剤を飲まなかった頑張り屋さんだ。子供と一緒に遊ぶために応募したのだ。(ああ、ユリア殺されちゃうよ・・・・。と思いながら見ていた・・・・。こんな残酷な事があろうか・・・・。)
当時、マッキャリーニの名声は頂点に達していた。」
「ドイツのテレビが密着取材をする程だった。未公開映像からも当時の内情が浮かび上がりマッキャリーニへの疑問が膨らんでいった。でもすぐに疑問を投げかけられなかった。告発への質問がすべての調査が終わってからという条件によるものだった。」
(ああ、ユリアのお母さんと夫のインタビューが。ユリアの今のインタビューはない。やっぱり死んじゃったんだ・・・・・)

ユリアのための人工気管が3つとも不具合。1つは長さが足りない、1つは強度不足、1つは中に穴が空いている。医師「でも大丈夫です。長さは調節できます。たぶん」(えええ???)
マッキャリーニ「問題ない」
「このやりとりを見て私は心配になってきた。人工気管はどれも不具合があるのに、手術の中止を誰も考えていない。それどころか何もなかったかのように事がすべてが計画通りに進められていった」
人工気管の説明をユリアに人工気管の会社の社長がする。
(人工気管:ハーバード・バイオサイエンス社製 「通常の体組織のようにこれに細胞を付けます。」この殺人会社、まだある)
そして、アイスランドで1年も人工気管で生きているベイエネの写真をユリアに見せた。
その時、記者会会見を開いた。だが、その時点でベイエネには不具合が起きていたし、マッキャリーニは知っていた。会見でその不具合は隠ぺいされた。回復には程遠いものだったというのに。
ベイエネは手術後、咳をし始めた。日に日に悪化していった。
記者会見では悪化しているのに、逆の事を言われていた。
内視鏡検査では、気管は炎症を起こしており、血を粘液を吐き出し気道を開いておくのが困難だったので、金属を入れた。これをマッキャリーニは知らないはずがない。

こうしたリスクをユリアに伝える事はできなかったのか。
全部検査済みだと信じ込ませようとしたのか。

(ここでユリアの喜ぶ顔ごしの悪人たちの構図が悲しく映る。)
社長「術後すぐには血は作られないが、7日ほどで血管が作られ新しい気管が完成します」
(こんな夢のような話はまだまだ実験段階だよ・・・・。動物実験すらしていないよ。そして、番組ディレクター同様、なぜ、誰も手術を止める事ができなかったのか・・・・。ドイツの密着取材映像が悲しすぎる。人がまざまざ殺されていくのをただ見ているだけしかないなんて・・・)
「なぜこうも事を急ぐのでしょう」
マッキャリーニ「臨床試験を成功させるよう異なる省庁から強い圧力を受けている」
「関係省庁やスポンサーの圧力に屈したのでしょうか」
マッキャリーニ「二か所切開するだけで移植手術ができたら相当な成果だ。これならユリアも術後のインタビューができるだろう」
(成果とか手柄とか結果とか名声とか圧力とか)
「ユリアは書類にサインしたとはいえ自分のリスクを理解していたとは思えない」
「ロシア側の主治医も手術が立て続けに失敗していたとは知らされていなかったようだ」
ユリア「手術で胸に傷が残らないようにしてほしい」とか泣ける。
「ついに手術の時がやってきた。マッキャリーニは人工気管を移植する機会を得た。あえて手術しなくても長生きできる可能性が高い人に」
(手術シーン。涙。辛すぎる。ああ、やられちゃった・・・・)
数日後、記者会見。記者「これから何をしたいですか?」顔のむくんだユリア「まずは、とにかく元気になって勉強を再開したいです」
「手術は成功しユリアは快方に向かっているように思えた。だからこそマッキャリーニはメディアに、関係省庁にスポンサーに心置きなくアピールした。マッキャリーニは臨床試験を続行する事になった」
ユリアの手術からほどなくして男性患者に移植されることになった。
手術は撮影され隣の部屋で上映された。マッキャリーニと協力してアメリカで子供への手術を予定しているアメリカの小児科医の姿もあった。
マッキャリーニはロシアでの臨床試験と並行して重症患者への人工気管の移植の手術をしていた。
アメリカで2歳のハンナへの手術がされた。集中治療室から出られず3か月後死亡。
22歳のトルコ女性。カロリンスカ大学病院で。人工気管の形が体内で保てず失敗。一年後別のプラスティック人工気管が移植されたが自体は改善されなかった。3年以上入院し続けた。
ベイエネの容態が悪化。
フックス医師「カロリンスカ大学にてマッキャリーニが自分が執刀した手術を一例ずつ報告。
報告内容は非常に憂慮すべき物だった。人工気管の形が保てなかった。ミーティングでは疑問が増すばかりだった。」
「今やカロリンスカの経営陣までもがマッキャリーニの治療法を問題視していた。
「2013年10月、カロリンスカ大学病院は国内の臨床試験の差し止めた。ところがそのために患者が専門家のケアを受けられず放置されてしまった。」
フックス医師はその過程でマッキャリーニが書いた論文を徹底的に読み込んだ。内容は実際に診療で経験した現実とは合致しなかった。疑念は確証へ。
ベイエネはカロリンスカ大学病院に戻ってきた。
妻「言葉にできないほど辛そうだった。」
2014年1月ベイエネ死亡。
検視報告書でフックス医師は真実を知った。人工気管が新しい細胞や血管が形作られた痕跡はなく重度の炎症を負って壊死した体組織が確認された。プラ性の人工気管はやわらかすぎて90%も形を保っていなかった。
そこで彼らはスェーデン国内で人工気管を移植した臨床試験結果とマッキャリーニの論文を照らし合わせた。
論文は実際とは異なり正確さに欠け改ざん、ねつ造されていた。最悪な事に肝心の治療法が書かれていなかった。治療に必要な情報が一切書かれていなかった。
何度も救急治療を必要としていた事、
人工気管には慢性感染症が見られて崩れていたこと、
トルコ人女性が7000回に及ぶ検査や手術で耐え苦しんでいたことも書かれていなかった。
2014年フックス医師たちは大学に研究の不正を告発した。マッキャリーニの論文は医師も患者も欺いていた。
マッキャリーニの移植手術はスェーデン国内では差し止められているが、他の国には強制力がない。
カロリンスカの医師たちはマッキャリーニの研究の不正を学会に発表してもらいたいと経営陣に迫った。ユリアのように緊急性のない手術をされないように。ユリアはマッキャリーニの治療法が有効だと証明するために手術された。
ユリアの術後の様子、ドイツの密着取材より。内視鏡を見ながら。
「気管が折り重なっている」
ユリア「私の人工気管は?」
マッキャリーニ「完璧に機能しているよ。」
息が吸えなくて泣くユリアに医師「想定内だよ。気を確かに」
「ドイツの取材映像はここで終わっている、私は数々の疑問が浮かんだが、それらをマッキャリーニにぶつけるにはすべての調査が終わるのを待たなければならない。彼へのインタビューは最後になるでしょう」
マッキャリーニはまた次の手術のためロシアを去った。
ユリアは可能な限り親子との時間を過ごそうとしたが思い描いた普通の生活とはいかなかった。
夫「熱、咳、むくみいろいろな症状が出た」
病院に行くと人工気管が崩れていた。
気管に金属を入れた。ユリアは何か月も入院した。マッキャリーニは来なかった。
母「肉が腐っていく臭いがした。臭いなんてもんじゃありません。ものすごい臭いだった。私には娘が生きながら腐っていく事がわかりました。娘が咳き込むと手術用の青い糸と肉片が飛び出してきました。」
義姉「ユリアは私は疲れ果ててしまって生きる気力がでないと嘆いていた。息をするのも大変そうだった。息子の成長を見届けられずとても悲しい。もっと生きたかった、と言っていた」
2014年9月、ユリアは一人自宅で息を引き取った。
カロリンスカの医師たちが上層部に異常事態を報告してから7か月が経っていた。
マッキャリーニの治療法で患者たちが命を落としているようだ。ミーティングやとメールのやり取りが行われていたのに、経営陣は無視していた。
その間もロシアでは臨床試験が続けられていた。
ドミトリ・オルグラもその一人。
カロリンスカの医師たちはカロリンスカ研究所の所長に報告書を提出したが何も起こらなかった。
ニューヨーク・タイムズ」と「ネーチャー」が取り上げてから事件が明るみに出た。
所長が内部調査を始めたのは医師たちが告発してから9か月も経っていた。
その直後から医師たちは仕事がしずらくなった。
警察が来るどころか自分たちの診療記録の改ざんを指摘された。
カロリンスカで一体何が起こっていたのでしょうか。
医師たちの口を封じこめようとしたのか。
彼らはマッキャリーニの真実を調べたくなかったのか。
経営陣「カロリンスカ研究所は彼を信じている。」
マッキャリーニ「人工気管は患者の死とは無関係だ。私は事実を正確に報告し患者に寄り添って来た」
「果たしてそれは本当だろうか。いよいよ私の疑問を彼にぶつける時が来た」
つづく!!


【第2話:疑惑の影】患者の一人、交通事故で気管に欠損を負ったユリアは2012年にマッキャリーニの手術を受け、その後死亡した。手術に参加した医師は「人工気管は挿入後、時間を経て壊れていった」と話す。人工気管に問題があったことは手術前から分かっていたとの証言も。マッキャリーニは一層窮地に追い込まれていく。こうした中、カロリンスカ研究所は、マッキャリーニ医師の人工気管の研究を継続するという決断を下す。