阿佐ケ谷物語 第2話
●ためいきの行方
最近、洋子はPodcastにハマっている。
洋子は昼食後、阿佐ヶ谷中の主婦のお気に入りスポットである高野、ユータカラヤ等パール商店街での買い物を終え家に帰ると、冷蔵ものを冷蔵庫にしまってから、白いmacを立ち上げ、iTunesを開いてからPodcastを開き、音を聞きながらお茶を入れて一息つくのが日課であった。
普段ラジオを聴く習慣がなかったがPodcastに出会ってからは芸人の才能にしびれていた。
おしゃべりが売り物になるなんて、なんという才能であろう。
特にタカアンドトシとアンタッチャブルには一目置いていた。
なぜならつっこみが相方に対してきちんとつっこむからだ。それが仕事だから、の一言で片付けられるものではない、と洋子は思っていた。
相方に口臭い、おまえ性格が悪い、などと洋子には冗談でも言えない。
言えたらなあ、と常々思っていた。
洋子と信夫は結婚して1年になる。二人は同じ職場の先輩後輩同士で、交際のきっかけは洋子の一目惚れだった。
初対面、信夫の吐息は魚臭かった。
ああ、この人、お昼、お魚食べたのね、と洋子は軽く考えていた。
ハンサムさんの口臭なんて全く気にならなかった。
いつしか二人はデートをするようになり、3回目のデートでは口づけをした。
惚れた弱み、信夫の口臭は気にならなかった。
さてするすると交際を重ね、二人は結婚を意識するようになる。
その間、信夫自身も気にしていたのか、リステリンの一番強い金色のやつを使っていたが、二呼吸目には元に戻っていた。おそらく歯槽膿漏であろう。
洋子は結婚式の準備で有頂天、脳内麻薬出まくり。信夫の口臭を気にしている余地は洋子の頭の中には全くなかった。
結婚して同居を始めてから徐々に信夫の口臭が気になり始めた。
信夫の口臭だけでなくトイレのふたを開けっ放しなのも帰宅早々、靴下をテーブルに乗せるのも気に入らない。
洋子は信夫に言えなかった。
洋子は常にいらいらしていた。
そんな中、洋子はPodcastに出会った。
信夫は毎日、夜10時頃帰宅する。
歯槽膿漏だったら歯医者に行けば治るかも、今夜こそ言ってみようかしらと洋子は心に決めるが言えたためしはなかった。
最近、洋子はPodcastにハマっている。
洋子は昼食後、阿佐ヶ谷中の主婦のお気に入りスポットである高野、ユータカラヤ等パール商店街での買い物を終え家に帰ると、冷蔵ものを冷蔵庫にしまってから、白いmacを立ち上げ、iTunesを開いてからPodcastを開き、音を聞きながらお茶を入れて一息つくのが日課であった。
普段ラジオを聴く習慣がなかったがPodcastに出会ってからは芸人の才能にしびれていた。
おしゃべりが売り物になるなんて、なんという才能であろう。
特にタカアンドトシとアンタッチャブルには一目置いていた。
なぜならつっこみが相方に対してきちんとつっこむからだ。それが仕事だから、の一言で片付けられるものではない、と洋子は思っていた。
相方に口臭い、おまえ性格が悪い、などと洋子には冗談でも言えない。
言えたらなあ、と常々思っていた。
洋子と信夫は結婚して1年になる。二人は同じ職場の先輩後輩同士で、交際のきっかけは洋子の一目惚れだった。
初対面、信夫の吐息は魚臭かった。
ああ、この人、お昼、お魚食べたのね、と洋子は軽く考えていた。
ハンサムさんの口臭なんて全く気にならなかった。
いつしか二人はデートをするようになり、3回目のデートでは口づけをした。
惚れた弱み、信夫の口臭は気にならなかった。
さてするすると交際を重ね、二人は結婚を意識するようになる。
その間、信夫自身も気にしていたのか、リステリンの一番強い金色のやつを使っていたが、二呼吸目には元に戻っていた。おそらく歯槽膿漏であろう。
洋子は結婚式の準備で有頂天、脳内麻薬出まくり。信夫の口臭を気にしている余地は洋子の頭の中には全くなかった。
結婚して同居を始めてから徐々に信夫の口臭が気になり始めた。
信夫の口臭だけでなくトイレのふたを開けっ放しなのも帰宅早々、靴下をテーブルに乗せるのも気に入らない。
洋子は信夫に言えなかった。
洋子は常にいらいらしていた。
そんな中、洋子はPodcastに出会った。
信夫は毎日、夜10時頃帰宅する。
歯槽膿漏だったら歯医者に行けば治るかも、今夜こそ言ってみようかしらと洋子は心に決めるが言えたためしはなかった。