創作 阿佐ケ谷物語
●つきぬためいき なんか生きている感じがしない。 買い物は楽しい。 洋子の日常は調理、食事、買い物、テレビ、インターネット、You tube、ポッドキャスト、mixi、その繰り返しだ。 たまにチカや幸子とランチやお茶をしたり買い物に行く。 でも心の底からく…
●阿佐ケ谷の風 もいんもい~ん。 「おばあちゃん、どうしてここら辺の風はもいんもいんって聞こえるの?」 「それはね、昔むかし、チカとゆうと洋子と信夫と幸子とその夫とクリスティアン・シュミット君という人たちがこの阿佐ヶ谷に住んでいてね・・・」 古…
●とまらぬためいき ニキータになると言ってミックスは旅立ってしまった。 洋子とチカの夫のゆうとミックスとで一緒に暮らし始めた最中だった。 信夫の寝ている間にチカが強引に家を出た。 ミックスはよくもまあ、まっすぐ歩けるもんだ。 初めのうちはごたご…
●ミックス ゴーゴー ぴかっ、ゴロゴロゴロゴロ・・・。 嵐のK病院 「あー頭痛え」 「頭痛が痛い、心臓も痛い」 「はかせっ! はかせっ!」 「何だね、小比類巻君」 「患者が目を覚ましました」 「つ、ついにかに!」ゲームギアを投げ出すはかせ。 (ここどこ…
●信夫の事故 ある晩、信夫は帰宅しなかった。 チカの運転するボンネットにでかでかとうんこと書かれたフェラーリに轢かれて死んだ。 その日1日、ドイツ鉄道が1分の遅れもなかったことを洋子は知らない。 ●信夫の事故、一部始終 お、あんなところでアベックが…
●ためいきの行方 最近、洋子はPodcastにハマっている。 洋子は昼食後、阿佐ヶ谷中の主婦のお気に入りスポットである高野、ユータカラヤ等パール商店街での買い物を終え家に帰ると、冷蔵ものを冷蔵庫にしまってから、白いmacを立ち上げ、iTunesを開いてからPo…
●出会い 幸子の楽しみは野菜や生鮮食品スーパーのユータカラヤと野菜専門スーパー高野かで食品を最安値で買う事だった。一度の買い物でそのニ店舗を2、3回は往復する。幸子の記憶力は鶏並みであったし、あからさまにメモを取っている人がいないから幸子も…