オットーくん3 第3話『IKAE』
オットーくん3 第3話『IKAE』
「て、店長~、オットセイの一群が攻めてきます~」
「いや、いや、あれは大事なお客様なのだ、丁重に扱いたまえ(来た、来た)」
「これはこれはチカ様、いつもどうもありがとうございます。今日はどういったご要望で」
「今日は緑?な感じ?の部屋に揃えようと思って」
「それでしたら、ちょうど新作の素敵なファブリックがありますよ、こちらのコーディネイトの部屋なんていかがでしょう」
「いいね、この部屋ちょうだい」
「それではお届けしますので、書類を作成いたします」
数日でIKEAの家具が店長とともにやって来た。それもたくさんのブルトーザーを携えて。
「さあ、約束通り、この土地を明け渡しなさい」
「?」
「なんのこと?」
「チカさん、今更それじゃ、困りますよ。あなたはもう契約書にサインしたんですよ」
「??」
「ほら、ここですよ、あなた、チカオットセイはこのオットセイの土地を我々に売り渡すと」
「?」
「ここを観光スポットにするのです。オーロラやら北極の自然を間近に見られる一大テーマパークを作るのです。しかもオットセイのカリスマチカさんのお許しが得られれば、環境保護団体も納得します。しかもオットセイはそのまま、我々が保護しますので、人間に何か芸を見せればいいのです。働き口もあるし、絶滅もしないし、そちらにもいいことづくめですよ」
「ええっ??」
本当にチカさんはサインしていたのだった。単なる配送先の書類かと思っていたら、まんまと騙されたのであった。
ど、どうしよう。これじゃ、都会に魅せられ金に目がくらんで白人に迎合し、故郷を売るインディアンと一緒じゃないか(ゴルゴ13参照)、いや、もっとひどい。
「だめだよ、やめてよ」
「今更、どうしようもありません、ほら、見て下さい、このポスターいいできでしょう」
チカオットセイのアップに『僕たちを救って』の標語。
「あなたのかわいい顔で寄付金も増えますよ。はい、緑の部屋丸ごと持ってきましたよ、チカさんには我々のホテルの一番いい部屋を与えましょう、それに今更、チカさんに契約違反金が払えますか?」
「ええー、金なんか残ってないよ・・・」
「さあ、かかれ」
とブルトーザーが土地をならし始める。
うわあ、大変なことになった~、とりあえず、U君に相談しよう。
「U~く~ん、あ!! またやってる!!!」
「やあ、チカちゃん、久しぶり、どこ行ってたの?」
「どうしたもこうも、とりあえず、話すときくらい、離れなさいよね!」
「チカちゃん、大変なことしてくれたね・・・、(と、契約書を見る)これ、IKEAじゃないよ、IKAEだぞ!!! どうするんだよ」
「ええっ?? IKAE? わかんないから、相談しに来たんでしょ! それというのもゆ君がね!」
「チカちゃん、所詮僕らはオットセイなんだよ、なめられたね・・・、それより、チカちゃん、まだオットセイになってから・・・」
「何よ! こんなときに!」
「しょうがないだろ! オットセイなんだから」
さて、チカオットセイは北極を救えるか?
こうしている間にも北極の氷は溶けている・・・。
つづく
「て、店長~、オットセイの一群が攻めてきます~」
「いや、いや、あれは大事なお客様なのだ、丁重に扱いたまえ(来た、来た)」
「これはこれはチカ様、いつもどうもありがとうございます。今日はどういったご要望で」
「今日は緑?な感じ?の部屋に揃えようと思って」
「それでしたら、ちょうど新作の素敵なファブリックがありますよ、こちらのコーディネイトの部屋なんていかがでしょう」
「いいね、この部屋ちょうだい」
「それではお届けしますので、書類を作成いたします」
数日でIKEAの家具が店長とともにやって来た。それもたくさんのブルトーザーを携えて。
「さあ、約束通り、この土地を明け渡しなさい」
「?」
「なんのこと?」
「チカさん、今更それじゃ、困りますよ。あなたはもう契約書にサインしたんですよ」
「??」
「ほら、ここですよ、あなた、チカオットセイはこのオットセイの土地を我々に売り渡すと」
「?」
「ここを観光スポットにするのです。オーロラやら北極の自然を間近に見られる一大テーマパークを作るのです。しかもオットセイのカリスマチカさんのお許しが得られれば、環境保護団体も納得します。しかもオットセイはそのまま、我々が保護しますので、人間に何か芸を見せればいいのです。働き口もあるし、絶滅もしないし、そちらにもいいことづくめですよ」
「ええっ??」
本当にチカさんはサインしていたのだった。単なる配送先の書類かと思っていたら、まんまと騙されたのであった。
ど、どうしよう。これじゃ、都会に魅せられ金に目がくらんで白人に迎合し、故郷を売るインディアンと一緒じゃないか(ゴルゴ13参照)、いや、もっとひどい。
「だめだよ、やめてよ」
「今更、どうしようもありません、ほら、見て下さい、このポスターいいできでしょう」
チカオットセイのアップに『僕たちを救って』の標語。
「あなたのかわいい顔で寄付金も増えますよ。はい、緑の部屋丸ごと持ってきましたよ、チカさんには我々のホテルの一番いい部屋を与えましょう、それに今更、チカさんに契約違反金が払えますか?」
「ええー、金なんか残ってないよ・・・」
「さあ、かかれ」
とブルトーザーが土地をならし始める。
うわあ、大変なことになった~、とりあえず、U君に相談しよう。
「U~く~ん、あ!! またやってる!!!」
「やあ、チカちゃん、久しぶり、どこ行ってたの?」
「どうしたもこうも、とりあえず、話すときくらい、離れなさいよね!」
「チカちゃん、大変なことしてくれたね・・・、(と、契約書を見る)これ、IKEAじゃないよ、IKAEだぞ!!! どうするんだよ」
「ええっ?? IKAE? わかんないから、相談しに来たんでしょ! それというのもゆ君がね!」
「チカちゃん、所詮僕らはオットセイなんだよ、なめられたね・・・、それより、チカちゃん、まだオットセイになってから・・・」
「何よ! こんなときに!」
「しょうがないだろ! オットセイなんだから」
さて、チカオットセイは北極を救えるか?
こうしている間にも北極の氷は溶けている・・・。
つづく